4Kとは
はじめに
2015年より4K試験放送が始まり、2018年にはBS,100度CS(左旋)で4K放送の実用放送が開始されました。 しかし、4K放送実用化のためにはまだまだ課題が残っています。
4Kコンテンツについて
まず、そもそも4Kコンテンツ自体が不足しているのが現状です。
4Kの撮影ではHDに比べフォーカスが難しかったり、激しい動きのコンテンツでは映像酔いしてしまう人もいますので、HD以上に視聴者の方への見え方を注意する必要があります。またタレントさんも4Kでの撮影は嫌がりますよね。お肌の調子や産毛などまで映ってしまうため、それらに対応したメイクなども必要になってくるかも知れません。
コンテンツを編集する場合でも4KとHDでは大きな違いがあります。
前提として4K編集に対応している編集ソフトを入手する必要があります。
HDだと不自由なく編集できていたマシンスペックでも4Kの編集となるとコンテンツ再生時にカクついたり複数レイヤを重ねることが難しくなる場合がありますし、レンダリングにも時間がかかってしまいます。
もちろん1台編集機があれば良いというわけではありませんので複数の4K対応編集機を用意しなければなりません。
編集が終わると次はプレビューです。HDと違いどこでもコンテンツを確認とはいかず、プレビューをするにもハイスペックなPCや4K対応のモニターが必要となってしまい、編集とプレビューを同時に行うことが難しい場合すらあります。
ファイルサイズについて
もちろんHDの4倍の解像度を持っているのですからファイルサイズも大きく増えます。
例えば1時間のHD (1080p/29.97fps/XDCAM HD) 動画を作成するとの場合、約25GB程度となります。
それに対して4K(2160p/59.94fps/XAVC)動画では実に約270GB程度とHDの10倍以上の容量が必要になってきます。
これを仮に30TBのストレージで保管した場合、HDだと約1,300時間の映像を保管できます。
しかし、4Kだとたった110時間ほどしか保管できないのです!
転送速度について
次に転送速度について考えてみます。
今までのHD/1時間(25GB)の動画を1Gb-Etherで転送すると理論上約3分30秒で転送が完了します。
しかし、仮に4K/1時間(270GB)の動画の場合だと転送するだけでも理論上約35分も必要となってしまいます。
実際には伝送効率100%ということはありませんのでそれ以上の時間を想定しなければなりません。
そこで10Gb-Etherを利用すると4K(270GB)動画の転送でも約3分30秒程度、25Gb-Etherなら1分30秒程度で転送することが可能なります。
4Kのこれから
4K実用放送が目前に来ているにも関わらず4Kを取り扱う為の製品が出揃い始めたのはまだまだ最近の話です。
冒頭でもお話させていただきましたが2018年にはBS,100度CS(左旋)で4K放送の実用放送が開始されました。
1度に4Kに対応した環境を構築するには多大な労力を要し、取り扱いに慣れるまでには更に時間が必要になります。
実用放送に向けて少しずつ4Kの準備を整えてみてはいかがですか?

(総務省HP:4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合 第二次中間報告)